化石

 

 

彼氏に振られた。

秋が来たら四年だった。

 

 

 

付き合っていた月日が長すぎて、

私はまだ彼のことを元彼と呼べない。

 

 

 

 

私が唯一許せないことを、

これだけはやめてねと言ったことを

彼は束縛だと言った。

 

ずうっと注意していたのに

直してもらえなかったところを、

私は彼を信用できなくて

つい弱さに負けて責め立てていたこと

今更になって別れの理由にされた。

 

 

ここ最近、おかしいなと異変は感じていた。

これが倦怠期なのだろう、

私が今まで乗り越えられなかったものだ、

今回は倦怠期だと分かる、乗り越えられると

昔付き合っていた人との経験から理解していた。

 

 

けれど彼は違った。

 

 

半年前、いやもっと前から

私に対しての気持ちがおかしくなっていたと言う。

 

 

 

人はなぜ好きだった人を

急速に、突然、

好きではなくなることができるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

別れたい理由にはひとつも納得ができなかった。

 

なぜ、自分のことを棚に上げて

もう我慢できないなどと言えるのか。

 

いつも我慢していたのは私だ、

けれど我慢さえしていれば

これからも付き合っていけたじゃないか。

 

 

なぜ、なぜ、なぜ。

 

 

 

 

あなたに限って次の女を見つけずに

私を捨てることがあるだろうか。

 

なぜ私ではダメだったのか。

 

 

 

 

 

 

私はあなたを一生忘れられないのだろう。

一緒に行った場所、食べた物、作った物、

聴いた曲、歌ってくれた曲、くれた言葉、

全て大切な思い出で、

私はその思い出さえあれば

どんなに喧嘩をしたとしても

あなたと生きていけたのに。

 

 

 

 

私に悪いところはたくさんあった。

無条件に、ずっと一緒だとばかり思って

努力を怠り甘え過ぎていた。

 

分かっているけれど。

 

 

 

とてもひどい振り方をされたのに、

どうして嫌いになれないのだろうか。

 

 

いつまでここに止まっているんだろうか。